- 1500(明応9年)
* 根結いの垂髪
後頭部の高い位置で白元結を使って髮を結う。襟足の髮に弛みがある髪型。江戸時代前期の「髱」が張り出した女髷を結う時の下地になる髪型。(女髷の下地にする時は、前髪を真後ろに流して元結で留めてから、髮全体を「根」で括る。)
- 1450(宝徳2年)
* 小袖を被く
外出をする時、鬘帯(かつらおび)で額の生え際を留めて、小袖をその上から被る。髮がほとんど見えない。公家・武家の婦人の外出の姿。
- 1400(応永7年)
* 自下げ
首の後ろで白元結をかけて一回結ぶ。童女、下層階級の女性の髪型。かもじを使わないで自毛だけを垂らす。
- 1350(観応(北朝)元年)
* 唐輪
武家の若い家来、寺院の稚児の髷。遊女・歌舞伎役者に流行。【結い方】一、前髪以外の髮を全部、高い位置で括る。二、髮の束で髷を作り、根本を毛先で巻く。四、長い前髪を真ん中で分けて垂らす。※髷はその人の好みで四つ・三つ・二つのいずれかに分ける。
- 1335(建武2年)
* 巻髮
雑事をするのにじゃまな髮を頭上でまとめる。庶民の妻女達の髪型。【結い方】一、髮を後頭部でくくる。二、髮の束を頭に巻きつける。三、白い布で頭部を包む。
- 1200(正治2年)
* 垂髮(男子)
首の後辺りで一回結ぶ。公家の下僕の髪型。
- 1150(久安6年)
* 白拍子
しらびょうし。男装をして今様を謡ったり、舞を演じる女性。【髪型】一、髮を後頭部の耳の上の高さで結い、元結で留める。二、元結から出ている髮の房を目立たない紐でもう一ヶ所留める。※白拍子は烏帽子を被る。
- 1100(康和2年)
* 物忌
ものいみ。細長い紙。公家の童女が、頬の横の左右の髮を耳の前で括るのに使う。
- 1000(長保2年)
* 短垂髮
みじかすべらかし。腰まである髮を体の後ろで一回結ぶ、働く女性の髪型。髮を結ぶ高さと身分が関係していて、身分が低い人は動きやすいように首の付け根辺りで髮を結ぶ。
- 900(昌泰3年)
* 鬢批
びんそぎ。頬の横の部分の髮を、婚約者か家族の手で、胸の下辺りで切り揃える。成人、慨婚の印。額の辺りで切り揃えるのは額髮(ひたいがみ)、耳の下で揃えるのは下がり端(さがりば)。
- 850(嘉祥3年)
* 元結掛垂髮
長い髮を耳が隠れるぐらいゆったりと落し、頚の後ろで元結を掛ける。肩の下でもう一回髮の束を括り、垂れ下げる。
- 794(延暦13年)
* 頭上一髻
ずじょういっけい。釆女とゆう女官の髪型。【結い方】一、前髪と鬢の髮を取り、高い位置で髷を一つ作る。二、髷の根本を毛先で巻く。三、後ろ髮は頚の後ろを元結で留める。
- 750(天平感宝2年)
* 双髻
唐風の貴婦人の髪型。【結い方】一、髮を左右に分け、それぞれ高い位置で結ぶ。二、それぞれの髮を折り返し根元を巻く(”兵庫髷”を左右に作る様な感じ)。三、余りの毛先を立てた髷に通して輪を作る。
- 710(和銅3年)
* 樹下美人
「鳥毛立女屏風」にある髪型。頭上に団子が乗っかった丸っこい”ボブヘア”みたいな雰囲気。【結い方】一、髮を左右で五分に分ける。二、顔の左右の髮を肩の辺りで折り返し、毛先を頭頂で団子にする。三、残りの後ろの髮も肩の上で折り返し、頭上で団子にする。
- 700(文武天皇4年)
* 高髻
こうけい。唐風の貴婦人の髪型。【結い方】一、鬢の部分以外の髮を頭頂で一つに括り上げる。二、一つに括った髮で輪を作って二つに割る。三、輪を作った余りの毛で”輪の真ん中”と”輪の根本”を巻いていく。四、鬢の髮をそれぞれ肩に付かない程度で折り返す。(美豆良みたいな感じ)五、折り返した鬢の髮を、耳のあたりで紙で巻く。
- 684(天武天皇13年)
* 結髪する決り
男女共、髮を結い上げる決りが出される。但、四十以上の女性は自由、巫祝は垂髮。女性の結髪は前髪を取って後ろにといて紐で留め、残りの髮は襟足で括り、髮を折り返して毛先を跳ね上げるように括る。
- 560(欽明天皇21年)
* 櫛
外国から櫛の製造法が伝わってきた。上げた前髪に挿して飾るのにも使う。
- 200(仲哀天皇9年)
* 植物を飾る
まとめた髮に植物を飾る。日陰の葛(ひかげのかずら)というシダや季節の花等。
- 100(景行天皇30年)
* 美豆良
男性の髪型。奈良時代より後は、貴族の少年の髪型になった。【結い方】一、髮を左右に分け、耳の横で束ねる。二、肩より上で折り返し、顔の横でまとめる。三、余りの毛先(もしくは紐)で髮を束ねる。
- 0(垂仁天皇元年)
* 垂髮
すいはつ。髮をそのまま垂らす。世界共通の簡単な髪型。